刺繍の刺し始めと刺し終わりの方法
当たり前のことですが、刺繍をする時に「刺し始め」と「刺し終わり」があります。
さらに、糸が途中で無くなったり、色を変えたい時など、「糸はどうすればいいの?」「玉留めするの?」「玉留めしないならどうしたらいいの?」と、刺繍を始めたばかりだと悩みますよね。
また、なんとなく玉留めしていたけれど、それでいいのか迷ったりしている方もいるかもしれません。
「刺し始め」「刺し終わり」「糸の変え方」など、この記事を参考になさってください。
刺繍の刺し始めと刺し終わりに玉留めをする?
結論から言ってしまうと、刺繍は玉留めをしません。
玉留めをしない理由は、仕立てた時に”ごろっ”としてしまうからです。刺繍をしたものを何かに仕立てる時、また額装する時に、玉留めの部分だけ目立ってしまいます。
そもそも、玉留めをして刺し始めると、ひと針目で玉留めが邪魔に感じることがあります。
玉留めをしない「刺し始め」と「刺し終わり」は難しくありません。一つの方法を覚えたら色々な場面で対応できます。
刺し始め
最初のひと針目を始める時「線」からスタートする場合と「面」からスタートする場合で説明します。
線を刺繍する時の刺し始め
描いた図案全てを「線」で表現する図案の場合や、刺し始めたい場所が「線」と言うことはよくあります。
最初に線を刺し始める時は、刺し始めたい位置より少し離れたところに上から針を入れます。
この時、10センチほど糸を残しておきましょう。(最後に糸処理をするためです)
布の上から針を入れたら、布の下から刺し始めたい位置に針を出してきて、刺繍スタートです。
線の刺し始めを動画で説明します。残した糸が気になる時の対処法ものせました。線に限らず、面を刺繍する時にも同じ方法で構いませんが、もう一つ方法があるので、下記でご紹介します。
面を刺繍する時の刺し始め
面を刺繍する時は、離れたところから、刺し始めなくてもよい方法を覚えておくといいですよ。
面で埋める図案の中に、ちくちくとふた針ほど針をすすめます。糸をギリギリまで引いてきたら、ひと針戻します。これだけで糸が抜けなくなります。
糸が抜けないことを確認したら、刺し始めたい位置に針を出して、刺繍スタートです。
面の刺し始めを動画で説明します。
刺し終わり
最後のひと針を刺し終わった時、糸処理はどうするのかを説明します。
また、刺し始めが線だった場合、上記の動画では糸を10cmほど残して、終わっています。その残してある糸は、刺し終わりと同じように糸を処理します。
線を刺繍した時の刺し終わり
最後は、必ず針が布の裏側にきて終わります。
すぐに糸を切ってしまうとほつれてしまうので、ステッチの裏の糸に、蛇行するように絡めて終わりにします。裏で糸を絡める場面は何度も出てきます。できるだけ同じ色のところで糸の処理をするのがおすすめです。
面を刺繍した時の刺し終わり
面を刺繍したステッチがサテンステッチなら、裏側も同じように面で埋まっています。線で刺繍したところより糸の処理がしやすく、綺麗に隠れやすいです。
ただ、糸の処理がしやすいからと言っても、糸を引きすぎると表に影響することもあるので、どの部分を糸処理する場合も、丁寧に糸に優しく、針を進めてあげましょう。
動画で解説しています。
線を刺繍した時に糸を変える時の刺し始め
線を刺繍した時の刺し終わりと同じ方法です。
まず、糸を絡めて最初の糸を終わらせます。その後、新しい糸を絡めて、糸が抜けないことを確認したら、新しい糸で刺繍スタートです。糸の色を変える時も同じです。
どちらの場合も、できるだけ同じ色のところで糸の処理をするときれいに仕上がりますよ。
面を刺繍した時に糸を変える時の刺し始め
面を刺繍した時の刺し終わりと同じ方法です。
まず、糸を絡めて最初の糸を終わらせます。その後新しい糸を絡めて、糸が抜けないことを確認したら、新しい糸で刺繍スタートです。
線を刺繍したところで糸を変える時よりも、糸を絡ませやすいのですが、同じ場所に多く糸がわたると、その部分だけごろごろしてしまいます。少しでもずらして、糸を絡ませてあげてください。
刺繍の刺し始めと刺し終わりの方法 〜まとめ〜
表を綺麗に刺繍することには意識を向けますが、裏も気にしてあげてくださいね。
刺繍が終わった時、表と裏がわからないほど…とはいいませんが、表も裏も綺麗に刺繍が終わると、何に仕立てても綺麗です。裏側も人に見せられるくらいになりたいですね。
プラスα
裏側に糸を絡める時、「糸」と「布」の間を通してしまうと、ただ糸がわたっているだけの状態です。玉留め代わりとはちょっと言い難いので、糸を割るように針を通してあげると、ほつれにくいです。少し意識してみてください。
刺繍の「刺し始め」と「刺し終わり」の方法を覚えて、ちくちく楽しい刺繍時間を過ごしてくださいね!